竹の不思議
 
日本で最も有名なおとぎ話のひとつ竹取物語のかぐや姫。これは竹から生まれた物語ですが、でも具体的な竹の効用については、鎌倉時代の書「国択 本草綱目」(1249年)に登場するのがわが国に残された文献での竹の効用に関する最初の記述かもしれません。しかし生活の場ではいつも身近な存在でし た。その例をいくつか挙げますと・・・。
          
竹筒
水をいれる水筒ですが、古くから用いられていました。単に竹の形が筒状で水を入れやすく、また持ち運びがしやすかったからだけではありません。竹筒に入れると、水の日持ちがいいことが経験上わかっていたからです。
竹皮
おにぎりやちまきなどの食べ物を包んでいました。やはり同じく持ち運びの利便性と、食物が腐りにくいという保存性の位置づけが高かったわけです。その伝統は今でもあり、お寿司屋さんなどで時々見かけますよね。
竹箸
竹を削って箸にしたものです。材料としての竹がたくさん取れる、削りやすく作りやすい、といった作り手の都合もあるでしょうけれど、やはりその抗菌性は見逃せません。竹箸は今でもきれいですがすがしく、小料理屋さんなどで竹箸が出るとなんだか懐かしくまた心が和みますね。
竹 に旬と書いて“たけのこ”。まだ土の上に顔を出す前に採って糠で煮るとおいしい筍の出来上がり。最近では筍に頭の良くなる成分や健康にいい成分が含まれる というような話もテレビで紹介されていました。筍はぐんぐん伸びる竹の象徴で、「コンクリートを突き破って生えてきた」なんて話も聞きます。この成長力 は、活性化の表れでしょう。また中華食材として有名なメンマ(麺麻)も麻竹や孟宗竹のタケノコを醗酵させたものです。
竹葉(ちくよう)
竹の葉にもいろいろあります。また笹とも言われます。竹葉は大きな種類のものはおにぎりを包むのにも用いられます。また笹を使った健康食品もやお茶などもあ り、健康に一役かっています。竹細工職人の間では、昔から「キズには竹の葉を貼っておけ」といわれたりもしていたそうですが、いまでも竹葉は生薬として漢方では活躍しています  。

 

竹炭
竹を炭にしたもので、除湿・消臭・浄化作用・遠赤効果やまたミネラルの宝庫など、様々な働きがあります。浄水器や炊飯などの他、お風呂や枕、シーツなどいろいろ活用されています。
竹酢(竹酢液)
竹炭を作るときに出る水分を乾留したもので、竹に含まれる成分そのものの凝縮です。抗菌・消炎作用の他、様々な作用があります。植物の成長を助ける農業用やハムなどの薫香付けの食品用などに用いられますが、今ではアトピーを良くするという用いられ方ですっかり定着しました。
竹瀝(ちくれき)
竹の油です。漢方薬として昔から喘息、咳、肺の病に用いられていました。また昔から「かぶれには竹の油をつけるとよい」とかも言われていました。
竹茹(ちくじょ)
青竹の内部を薄く削ったもので、寒熱や吐血に用いられていました。今でも漢方薬として活躍しています。
いかがですか・・・竹の用途は広く、その部位や使い方に応じて呼び名も様々。例えば枝葉を切り落とした主軸は(さお。竿とも書く)。割って細い棒状にしたものは竹ひご。伐採したままの青竹、火であぶったり煮沸したりして油抜きをした晒し竹、ある程度炭化させた炭化竹、伐採後数か月から数年間自然に枯らしたもの、煙で燻された煤竹など呼び名も様々です。
また中国には葉を酒に漬けて香りを付けた「竹葉青」という酒があります。最近では、竹の繊維で衣類が作られる、竹のスーツなんてのもありました。環境問題が言われる中、エコで効用の高い竹の用途はまだまだ広がりそうですね。